彼氏がA3春組をプレイした話

最近なんか、いいことがない。びっくりするほどない。

お陰ですごい悲し過ぎる特性がついた。

ここに来て初のお披露目。ドン。

 

「いいことが起きそうになると悪いことの前触れだと怯える」

 

悲し過ぎない?

よくなろう小説とかで奴隷になったエルフとかがご主人様に拾われて、びっくりするくらい大切にされて「幸せ過ぎて怖いです」とか言っちゃう展開があるけど、そろそろ私も美少女エルフみたいに保護されるべきだと思う。

 

私だって現代という社会の中で社畜っていう奴隷やってる、まああのうんエルフという存在からは程遠いかもしれないけど、逆に言えばエルフってところ以外は同じだし。

最近流行りの優しいオークとかがね、優しくしてくれたっていいと思う。

 (もう古いかな?)

 

まあそんな私のストレス発散にもなっているのが、彼氏にイケメンのいっぱい出る乙女向けゲームをプレイさせることです。

先日アイナナを無理矢理プレイさせた結果、見事トリガー推しになり、

私と付き合っているのか八乙女楽と付き合っているのか分からないほどメロメロになった彼氏ですが、

私にはまだ野望がありました。そう、私のハマっているもう一つのゲーム、A3にもハマらせること……!!

 

私は幾度も幾度も布教をした……!

何かにかけて、うざいほど話を蒸し返し、もういっそサブリミナル的に洗脳すればいずれやるんじゃないかという期待のもと……!!

 

しかし、無駄骨ッ……!!(ざわ……ざわ…)

彼は私の手数の多さを全て「今アイナナのイベント中だから」の一言で交わすッ……!潤沢なコンテンツのアイナナッ……!!

アイナナに夢中すぎる彼氏ッ……!!

誰だ、こいつをこんなトリガー担に変えてしまったのは……ッ!!

 

あまりの自分の無力さに、膝をつきかけてしまった頃、トリガー担でありながら、大和に夢中な大和族を名乗る彼氏が「大和さんの声好きだわぁ……」とうっとり声で私に言った。

 

チャンスボール。

私には、スローペースでこっちに来るボールが、見えた。

私は小さな巨人だッッッ!!!

 

ワイ「……しらいむさんですね。A3にも出てるよ?」

彼氏「え、マジで」

ワイ「そう……しかもね、彼は主人公ガチ勢なのよ。愛しまくりよ

彼氏「やるわA3

 

SMASH!! 刹那の返事ッ!! 早いッッ!

今までの布教のくだりは一体なんだったんだ。

今までの「えぇ~」「でも時間がぁ~」「アイナナがぁ~」の葛藤が嘘のように彼はA3をやると宣言した。しらいむ偉大過ぎる。人の背中を押した。

しまいには完全にオネエ口調になっている彼氏に「アンタはいつもッ! 肝心な情報を言うのが遅いのよ! おバカ!」と怒られる始末であった。

しらいむが出ているのは彼の中でA3の肝心な情報の一つだったらしい。知らなかった。

 

とにもかくにも、彼はA3をやることとなった。

そして一週間ほどが経った頃、私に一本の電話がかかってくる―――……

じりじりと暑い夏の夜で、正直すぐに家に帰って寝たかったが、彼の一言目が私に遠回りをしようという決意をさせる。

 

彼氏「A3を進めました

ワイ「お待ちしておりましたッ!! どうですか」

彼氏「まあ順調に面白いですね」

ワイ「真澄は出てきた?」

彼氏「うん、出てきたよ。とても怖い

ワイ「怖いの!?」

彼氏「怖いに決まってんだろ!! 何!? 何で俺のことがそんなに好きなの!?

これちゃんと後で理由判明して『それならしょうがない』ってなる!?」

ワイ「人によるカナ★

彼氏「意味深やめろや! なのに俺は……」

ワイ「……」

彼氏……そんな彼が、嫌いじゃない

 

だろうね。だと思いました。

基本的にイケメンが健気に自分を想ってくれるのが好きな彼氏氏です。

アイナナで八乙女が自分を見るたびにどきどきしていた彼が、「もっと俺(紡ちゃん)を大切にしろ!」とアイナナで嘆いていた彼が、急にA3に来てあまりにもストレート過ぎる愛情を浴びてしまい戸惑うのは分かりきっていた。

 

そんな、どさくさに紛れてA3に来ても順調にいづみちゃんのことを「俺」と呼ぶ彼氏に菩薩顔でウンウンしながら戸惑いの続きを聞いてやる。

 

 彼氏「俺のことを好き過ぎるあまり嫉妬して『尻軽』とか言われた時はお前それ好きな人に言う言葉じゃねーだろと思ったし、やべー奴に好かれてしまったな」

ワイ「でも?」

彼氏「……ホント、嫌いじゃない………

ワイ「(笑)」

 

この調子で初恋を長年拗らせている秋組のガチ恋メーカーヤクザに耐えられるのだろうか。我々調査隊(ワイしかいない)は彼を引き続き見守ることとした。

 

しかし、我々は知らなかったのである……

彼の性癖を、あの男が刺すことになるとは……

 

 

~更に一週間後~

 

 

ワイ「どこまで進んだ?」

彼氏「なんかOBの人……雄三さんだっけ?が来てクソ怒られた」

ワイ「どう?」

彼氏「クッソ正論やん? 正論過ぎて胸に刺さったわ」

ワイ「何でお前が刺さるんや

彼氏「バカお前、こんな風に言ってくれる大人って中々いないんだぞ、言ってもらえるだけありがたいんだ。至さんが言われた『やる気ないなら帰れ』みたいなやつだって、俺が仕事で言われた時のこと思いだし、あ、あ、鬱になりそう

ワイ「感情移入マッハかよ。戻ってきて大丈夫だから」

彼氏「で、その至さんについてなんですけど」

ワイ「え? あ、はい」

彼氏「好きです

ワイ「え!?!? 今なんだって!?」

彼氏「至さんが好きです

 

まさかの推し被りである。

女の趣味は良くないと常々思っていた(特大ブーメラン)が、やはり男の趣味は抜群にいいらしいと私は確信した。

そして、私の親友だけでなく彼氏まで陥落させる茅ヶ崎至に戦慄した。

 

ワイ「ちなみに、どういうところが好きなんですか」

彼氏「稽古着の時に鎖骨を見せつけてくるんですがエロくてとても好きです

ワイ「えっびっくりした流れるように喋ったな今

 

まるで台本を用意されていたかのような流れる台詞にちょっと面食らう。

多分稽古するたびに「エロいな」と思っていたんだろう。

 

彼氏「あとは普通に二面性のあるところが好き。ギャップは萌え。とてもシンプルに萌え」

ワイ「至さんはワイの推しでもあります」

彼氏「え!? あ、あ~……あ~……そうね…好きそう」

ワイ「何かすげぇ含みを感じたよ今

 

ううん、お前の男の趣味が分かりやすいだけだよ★と彼は朗らかに笑った。

天上天下唯我独尊イケメンスキーに言われたくはない。

私は更に彼の様子をうかがうことにした

~更に一週間後~

 

ワイ「どこまで進んだ?」

彼氏「至さんが出て行くとか出て行かないとかいう話が終わって、めっちゃ可愛いタイプな男の娘とパリピが出てきて、色々あってチケットさばいてる」

ワイ「なんか急にめっちゃ進んだね!?」

彼氏「至さんが話の中心になってたことが多いからな。至さんの会社で働いてる女ずるくない? 俺も働きたいわ

ワイ「分かるよ

彼氏「俺も営業スマイルを向けられたいんだが? は?

ワイ「お前さては私と前世で生き別れた双子だな?

 

私が百万回ツイッターで言っていることを彼氏が自然と言い始めて戦慄した。

これは至さん推しあるあるなのだろうか。

 

彼氏「あと真澄と咲也が、殺陣のこととかで言い合って和解してた」

ワイ「ああそこか」

彼氏「咲也がすごい大人だよね。あんな過去があったらもっときつい性格になってても仕方ないと思うし、チームでやっていることを喧嘩初めて一人でやり始めるのって結構破滅へのカウントダウンになったりすることが多いけど、咲也は打たれ強くていい子だからそこの心配はせずに見てられた」

ワイ「うんうん良いよねそのシーン。真澄も成長するじゃん」

彼氏「まあ、成長はしたかもね……想像通りの展開だったし、ちゃんと改心したのか分からなかったけど、まあいいんじゃないの」

ワイ「真澄にだけ当たりがきついぞ! でも!?」

彼氏「嫌いじゃないよ!! クソッ!! 良かったね二人とも!! 可愛いと思いました!! いい話だったよ!!」

ワイ「(笑)」

 

真澄への感情表現だけどうも情緒不安定になる彼氏だった。

さながら急に男女を意識し始めて急にきつめに当たっていまう思春期男子のようである。真澄にだけ思春期を開花させていた。

そろそろ終わりに近いな、と私はしめしめと笑い確信した。

~更に一週間後~

 

ワイ「A3やった?」

彼氏「今夏組やってる

ワイ「う"ぉ””ぉ”い!!!!

 

急なペースアップに私が逆に振り落とされていた。

何ということだ。

しかし私は負けない。至さんにハマった、堕ちた彼氏にどうしても聞きたかった感想があったのだ!!

 

ワイ「待って、私例の至さんのスチルについて話したかったんだけど」

彼氏「は? あの至さんが非常に尊くて、いろんな感情が溢れて、ソレより何よりめっちゃ顔がよくて続きが楽しみなのは当たり前のことだろ? 常識的に考えろ

ワイ「なんかすげぇ怒られてる!

彼氏「show must go onだよお前。ついてこいよちゃんと

ワイ「なんか言ってる!!

 

なんかすごい良かったらしい。彼氏は賢者モードを通り越して女オタク特有の萌えギレみたいなのを起こしていた。女オタクじゃないのに。

 

彼氏「あと今更だけど、真澄が俺のことを好きになった部分はゲームとして非常に表現しづらかったと思う。実際そのシーンを想像するのは難しいから真澄の目にどう映ったのかは分からない。でもそれ以降も俺がずっといい女だったから、確かに真澄も好きになるなという風に腑には落ちた。難しいシーンをうまく表現したと思う」

ワイ「めっちゃ語るやん……」

彼氏「あと至さんの顔がいい

ワイ「あ、もうダメだ堕ちてやがる」

彼氏「推しが夏組になった瞬間あまり出てこないんだけど……しょげ……

 

完全に至さんのことを推しと呼び始めていて私は草が生えまくりであった。

みんなあの茅ヶ崎至って男には気をつけてくれ。

みんな気を抜いてたら墜とされるんだ。

私も昔、ハートに矢を受けてな……

 

至さんと真澄中心のブログになってすまない。本当はシトロンの顔にもメロメロだったし、綴の様子にも大変感銘を受けたみたいで、私が同人原稿の締切近いのにチンタラしてたら「お前綴を見習えよ!!!」と叱られたりしてたんですが、文字数的にこのへんで!!

 

ちなみに彼氏は推しが出ないと定期的に文句を言いますが、夏組のことは夏組で面白いらしく、今は楽しんでやっているようです。

夏組の感想も面白いものを沢山もらっているので、

次は夏組VS彼氏ブログをあげれたらいいと思っている。

 

センキューエビバディ!!

みんなA3しようぜ!!